2018年1月22日

フォースウォーンの女王2 フォースウォーン狩り


「赤鷲の伝説」という書物がドヴァキンの気を引いた。
かつてフォースウォーンたちを率いて昔日の帝国へ反旗を翻し、燃える剣で1000人もの敵を薙ぎ倒したという強大な王、赤鷲。
退屈しのぎのひとり旅でその地を訪ねあてたドヴァキンは、伝説のいうサンダードの丘へと続く洞穴が、これまで誰も知らないフォースウォーンの部族により厳重に警護されているのを発見した。
種族的にはブレトンに近いリーチの民はノルドより小柄で肉付き豊かな肉体と、地味ながら総じて整った顔立ちをしている。加えてフォースウォーンの部族の女たちの身体は狩猟と戦闘で鍛えられ引き締まり、戦化粧に彩られたエキゾチックな容貌も相まってドヴァキンの「好物」であった。その「好物」を思う存分味わえるという期待にもそそられて、ドヴァキンは洞穴への潜入を開始したのだった。

2018年1月9日

灰色地区7 スヴァリス・アセロンの記録簿


私はスヴァリス・アセロン。
ウィンドヘルムで兄弟二人と、最近引き取った姪との四人で、灰色地区のボロ家に暮らしている。シャッターシールド家が経営する交易会社が勤務先だ。
雇い主のトールビョルンからは、ウィンドヘルムで暮らすダンマーとしては破格の給料を貰っている。アルゴニアンの労働者たちを怠けない様に監視したり、売り上げが他社を上回る様に差配したりと、知恵と勇気がなければ勤まらない働きをしているのだから当然だ。
トールビョルンはそんな私にさえ、ノルドではないというだけで平然と蔑みの眼を向けるが、不平を言うことはない。ダンマーが今の半分も給料を貰える働き口は他には絶対にないからだ。


仕事の帳簿をつけているときにふと思い立った。汚らわしいノルドの男どもにされた仕打ちを決して忘れない様、記録を残しておこうと。
だが人目にそれとわかってはまずい。だから自分だけにわかる様なかたちで記すことにした。