2016年9月20日

オルフィナ・グレイ・メーン3 帝国軍秘書官


ホワイトランのバトル・ボーンの邸宅。
豪華な晩餐の後、バトル・ボーンの現当主であるイドラフ・バトル・ボーンが、2人の帝国兵ににこやかに食後の酒を勧めていた。

「ハチミツ酒もエールも質の良いものを用意しております。どうぞお寛ぎください」


その隣で訝しげな表情を浮かべているのはイドラフの義理の弟であるジョンであった。
ジョンは姉のアルフヒルドとともにバトル・ボーンの傍流に連なり、幼い頃より農場で働いてきたが、アルフヒルドがイドラフに見初められその妻となった時から、共にホワイトランの邸宅へと移り住んでいた。
農場の維持管理を任されたアルフヒルドに引き換え、ジョンはこれまで何らの役割も権限も与えられず、労働を免除された余暇に楽器を奏で詩歌を吟ずることに没頭してきた。
そんなジョンをイドラフは呼び出し、帝国軍士官の接待を行うことを命じたのだった。