2016年12月25日

灰色地区6


サトゥラリアの祝祭の日、夢現のまま赤い帽子の男にその身を任せ、不思議な薬を贈られた少女。
少女は薬の力で成長した外見と飛躍的に向上した身体能力を手に入れ、ダンマーを迫害するノルド達を、密かに懲らしめる女剣士になったのだった。


その後も定期的に届けられる赤と青の薬瓶。赤い薬で大人の身体になり、青い薬で少女の身体に戻る。
その薬への依存は彼女の心の中に、贈り主である正体の知れぬ男への思慕の想いを積もらせていった。その想いはただ一度だけの男との肉の交わりの記憶と強く結びつき、いつしか少女は薬を服用する都度、男のことを想う都度、身体の奥が妖しく疼きだすのを止められなくなっていた。



そして再びやってきたサトゥラリアのこの日、ついに男は少女の前に姿を現した。