2015年5月3日

リッケ特使


スカイリム駐留帝国軍、リッケ特使。
生粋のノルドでありながらも、帝国軍に身を投じ数え切れぬ程の戦場を経験してきた軍人である。
ストームクロークとの内戦においては、新たに派遣されたティリウス将軍の片腕となり更にその名声を高めていた。


その齢は四十を越え、鍛錬は怠らぬもののさすがに肉体の衰えは隠せぬのか最近では左目の不調を訴えて常に眼帯を着けており、また公務以外では自室にこもりがちとなっていた。


この日、リッケ特使はドール城に戻ると、いつもの様にティリウス将軍との情勢検討の打合せを始めた。
テュリウス将軍は卓上の地図を睨みながら、横目で歴戦の女士官の姿をうかがっていた。
屋外での活動を終えたリッケ特使の身体が屋内の暖気に暖められて微かに汗ばみはじめ、年齢に似合わぬその若やいだ香気に、テュリウス将軍の気はそぞろとなっていた。


「リッケ特使、我々はこれまで良い協力関係を築き、大きな実績をあげてきた。そろそろ今一歩、お互いを知るためにどうかね、私の部屋でワインでも?」

妻子を置いてスカイリムに赴任しているテュリウス将軍は、リッケ特使ならば年齢も近く、お互いの欲求を解消するためのパートナーとしてうってつけではないかと考え始めていたのだった。

リッケ特使はキッとテュリウス将軍を睨みすえた。

「失礼ですが、将軍。今日は少し疲れましたので先に休ませていただきます」


にべのない拒絶。リッケ特使は身を翻し、自室へと去っていく。
テュリウス将軍は黙ってそれを見送ると、かすかに顔をしかめて思慮にふけるのだった。


∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫




「お帰りなさいませ、特使様」

自室に持ったリッケ特使を、小間使いの少女が迎える。リッケ特使はちらりと彼女に視線をくれると、苛立った様子で篭手と剣帯を外して投げ出した。



少女が水差しから洗面台へぬるま湯を注ぐと、リッケ特使はバシャバシャと水音を立てて顔を洗う。
ふうっと大きな息をつき、水滴を跳ね飛ばして顔をあげる。すると驚くべきことにリッケ特使の顔は瑞々しい張りと艶を備えた若い女性のそれに変貌していた。



「全く、前と同じ年に見せるためにいちいち化粧をしなければならないとは煩わしい!」

「リフテンのメイビン様のように、そのままの姿でお出になれば良いではないですか」

小間使いが返すと、リッケ特使の苛立ちは加速した。

「いったいどう説明する! 帝国軍の特使たる者が怪しげな薬を使って若返ったなどと!」

傍らに立つ小間使いは少女というより少年じみた仕草で肩をすくめる。

「ご主人様は特使様のご面倒にならない様、毎日、化粧をして差し上げるために僕をここに残されたんです」

「いったいあの男は何を考えている! なぜ私に若返りの薬などを盛ったのだ!? その上…」


リッケ特使は心底忌々しそうに左眼の眼帯をむしり取った。
現れたのは、右眼とは全く異なり、瞳が針の様に細まった金色の目。


「片目だけ猫の眼に変わってしまうなどと、これではまるで化け物ではないか!」

「バベット様は、生命力を高める効果を得るため、薬の成分としてカジートの精液を入れたのが影響したと考えているそうです」


思わずうっと口元を押さえるリッケ特使。
淡々と不毛な受け答えを続けながら、この人は本当にわからないんだろうか、と小間使いは考える。

- 僕はすぐわかったのに……ご主人様が何を望むのか……


唐突に、部屋の一隅から黒い影が立ち上がり姿を現した。
黒一色の革鎧に身を包み、同じく黒のフードで顔の半ばを隠して音もなく滑る様に歩む男。
盗賊ギルドマスターでありまた闇の一党を率いる聞こえし者、更には内戦を帝国軍の勝利に導き特使の称号をも得たドヴァキンその人であった。

「貴様!」

気色ばんで詰め寄るリッケ特使を、ドヴァキンはスッと差し出した片手でいとも簡単に制した。
そしてたっぷりと脂の乗った尻に手をまわすと、きゅっと引き締まった細腰を抱き寄せる。

「なっ!?」



リッケ特使が驚く暇もなく、巧みな手さばきで瞬く間に鎧が脱がされてゆく。
ブーツを残した下着姿にされてしまい、何とも心細い気持ちのまま大柄な男の身体に抱きすくめられる。厚い胸板に顔が押し付けられ、その身を引き剥がそうと懸命にもがくリッケ特使の抵抗が、やがて止まった。


それを待っていたドヴァキンが素早く動いた。あっという間に両の腿が割られ、腰に回された手が下に這い降りるや、尻をつかまれ抱え上げられてしまう。
大きく広げられた両脚が宙を泳ぎ、男の上半身にしがみつくしかない。
それを良い事にドヴァキンはリッケ特使を抱え込み、張り詰めた球形の尻肉を思うさま揉み込みながら、軽々とベッドへと運んでいく。


抵抗できないまま男の手で身体を嬲られる感触に、リッケ特使は忘れかけていた快美感が奥底から呼び覚まされるのを感じていた。

- いけない、このままでは……


ベッドに荒々しく投げ出される。
間髪入れずに跳ね起き逃れようとするがそれより早く男の指がスルリとパンティーをかいくぐるといきなり、二本指がそこに突き立っていた。

「痛っ!」

思わず声をあげる。
初めて経験する痛みではなかった。だが男女の営みから久しく遠ざかっていたその部位は、触れられる感覚を忘れかけ、あまりにも臆病に、鋭敏になっていたのだ。


「やめて……動かさないで……」

リッケ特使の全身は女の部分に差し入れられた二本の指によって、まるでピンで留められた小動物の様に、僅かな身動きも出来なくなっていた。
その哀願を無視して、ドヴァキンの指が前後にスライドを開始する。


「ヒッ!……い……やぁ……やめて……」

力無い悲鳴が続く。
だが程なくドヴァキンの指が秘苑の奥へと道をつけ、泉から湧き出る愛液が肉襞をしっとりと潤わせた。
程良い潤滑の中で男の指は水を得た魚の様にしなやかに動き回り、熱を持ち始めた内奥の媚肉のそこら中をついばんだ。


こうなるとリッケ特使は呼び覚まされた女の性を抑えつけることもままならず、いつしか男の指に杭打たれた身体の中心部から隠微な蜜をしとどに溢れさせ、熱に浮かされた様に荒い呼吸を繰り返すのだった。



「駄目、こんなの初めて、イクッ、イッちゃうぅぅ!」

彼女は虚ろな視線を宙に彷徨わせ、身体をピクピクと小刻みに痙攣させ果てていた。
なおも男がまさぐり蹂躙する膣奥が熱い。そしてその熱は背骨を貫き伝わり、顔全体に、ことに異形の左眼に、ピリピリとした痺れる様な感覚を送ってくるのだった。
更には頭部にこれまで感じたこともない掻痒感を生じさせていた。

- な……に……?

覚えずその手が頭上に伸びる。
違和感。
指先に柔らかな感触。

- これは何なの……いったい……?

その指先に触れたのは……?


「特使様、すごく可愛いじゃないですか!」

小間使いが歓声をあげる。
リッケ特使の頭頂部には、大きな猫の耳が生えていたのだった。


「にゃっ……!?」

思わず変な声が出てしまう。自分の指で触っただけなのに、猫耳に触れた途端、リッケ特使の全身に痺れる様な快感が走る。
もはや士官としての自意識や理性は決壊していた。ただこの若返った獣混じりの身体が求める本能になすすべもなく流されるしかなかった。


頃合いは良しと見たドヴァキンは自らも黒の革鎧を脱ぎ捨てて襲い掛かり、残されたブーツとブラジャーを容易く脱がせる。
弱々しい抵抗。くなくなと力無く折れ、男の意のままになる豊満な肉体。


ドヴァキンは次いでベッドに寝転がって女の腕をぐいと引いた。
リッケ特使がうつ伏せに倒れ込んだ眼前には、黒光りする男のシンボルが天を衝いて屹立している。
片手で包み込んで上下に何度か擦りたてると、その逞しい太さと固さの虜となってしまう。



「みゃぁぁ、あむっ」

本能の命ずるまま、リッケ特使は一声鳴くと肉棒にむしゃぶりついた。



- くちゅ、くちゅっ……

唾液が止まらない。心の底から美味しいと思った。
味覚を備えたあらゆる部位を熱く脈打つ肉柱に触れさせようと懸命に舌を動かす。
と、ドヴァキンがリッケ特使の陰唇に口づけた。



「うにゃ、にゃぁぁ!」

脳までとろけさせられそうな、衝撃の様な感覚に時間が止まる。
はっと気付いて再び、貪る様な舌使いで男性自身を咥え込む。今度はドヴァキンの舌が侵入する。

「うにゃぁっ!」

またも彼女の時間が止まる。そんな繰り返しが5、6度も続いてから、ようやくドヴァキンはリッケ特使の淫裂を解放し、その身体を己の下腹部の方に向けて押しやった。


リッケ特使の女の急所の真下に肉の剛棒が聳え立っていた。
怖い。自らの秘部にこれが突き入れられてしまえば、間違いなく彼女は支配されてしまう。その確信があった。


だがとうに、小間使いが「ご主人様」と呼ぶこの支配者に、自らの肉体を、全てを捧げる気持ちになっていた。スカイリムの帝国軍を勝利に導いた、素性不明の逞しく頼もしい男。蘇った竜族との戦いに打ち勝った生ける伝説。
その男が、あり得ない薬まで使って彼女の肉体を玩具の様に作り変えた。自分の女をそうまでして求められていることに彼女はほとんど陶然としていた。そしてその男の所有物たるこの偉大な肉棒に対して湧き上がる畏敬の念を抑えられなくなっていた。

リッケ特使は慎重に狙いを定め、男の槍に自ら貫かれるために瑞々しく張り切った尻を下ろしていった。

- ズッ、ズブゥ!

「にゃんっ!」



彼女の秘められた肉の洞穴に必要以上に溢れかえった愛液の潤いですら、挿入による衝撃と摩擦を受け止めることはできなかった。逞しい男の器官は、雌肉が健気にもその身を守るために纏いつかせた潤滑を意にも介さず、胎内を余すことなく満たして尚も押し広げ、蹂躙し征服したのだった。
身体の中心を太いもので貫かれ、その圧倒的な熱量と存在感に屈服した自分自身を嫌と言うほど意識させられて、そのことが彼女を甘美極まりない幸福に浸らせた。



涎の様に蜜液を垂れ流しながらも、リッケ特使の肉壷は健気にきゅんと男のモノを締め付けていたが、それゆえ自らが乱れ絶頂に駆け上ることを止め様もなくなっていた。

「イクッ! にゃん! あっ! またイクゥ! みゅぅっ!」

そんなリッケ特使を腹の上で良い様に踊らせ続けるドヴァキン。



「もう、駄目……にゃのっ……お願い……

哀願するリッケ特使。言外に、男に精を放って止めを刺してもらいたいと請い願う。
だがドヴァキンは許さない。下からの突き上げは激しく、次いで緩やかに、そして再度激しく、と一向に途切れる気配はない。

「ドヴァキン……様ぁ、もう許して……この……孕みやすい獣腹に……ドヴァキン様の精液、ドプドプって注いで欲しいにゃんっ!」

全ての自尊心を捨て去った雌猫の様にあさましい懇願を受けて、ドヴァキンはようやく射精に向けてラストスパートをかける。



- ビュッ、ドプッ、ドプゥッ!

「にゃぁぁぁーん!」

真下から垂直に女体の最奥部へと突き刺された固く鋭い肉槍の先端から、大量の精液が噴出し打ち込まれる。



脳裏まで真っ白に灼かれたリッケ特使は雌の悦びに打ち震えて最後の絶頂を迎えると、意識が途絶えドヴァキンの身体の上でがくりと力を失った。
密着したまま膣壁の無意識の蠕動に最後の一滴まで搾り取らせると、ドヴァキンは徐々に硬度を失いはじめた一物をズボッと音を立てて抜き出し、リッケ特使の身体をごろりとベッドに転がして立ち上がった。



ぼうっと頬を赤らめて二人の情事を見ていた小間使いは、はっと我に返ると足元に跪き、丁寧にドヴァキンの身体を清め始めた。



やがて男の身体を拭き清め終えた小間使いは、ドヴァキンを見上げて悪戯っぽい笑いを浮かべた。

「ご主人様、何だか僕も、猫になって苛められたいなって、思っちゃいました♪」

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