2015年1月9日

リリー1 大学のミルクポット


ウィンターホールド大学の中庭。
その片隅で呪文書を読みふける女性。彼女は「リリー」という自分の名前以外の記憶を失っていた。


彼女はある日、傷を負いふらふらとした足取りでウィンターホールド大学の門前に現れた。
ストームクロークの制服を纏いながらも記憶をなくしたリリーには行き場がなかった。門前に立っていた上級魔術師のファラルダは、召喚呪文の課題をいともやすやすとクリアしたリリーを、いぶかしみながらもウィンターホールド大学へと迎え入れたのだった。




リリーはそれ以来大学で、黙々と呪文の勉強をして過ごしている。
記憶をなくし行き場がなく、また感情というものが欠落した様に見えるリリーを、大学の一部の人間たちは見下し良い様に扱った。


「ここにいたか、ポット娘」

大学の上級魔術師のひとり、サルジアス・トゥリアヌスが本を読むリリーを見つけ声をかけてきた。リリーは「ポット娘」「ミルクポット」というあだ名で呼ばれていた。その意は、男たちの欲望のミルクを受け止め注がれるための道具、ということだった。

「私のミルクを注いでやる。こっちへ来い」



アーチ窓からの陽光があたる場所から、暗がりへとひきずり込む。

抵抗できず膝をついたリリーを見下ろしたサルジアス・トゥリアヌスは、リリーのフードをむしり取ると自らも手早くローブを脱ぎ、早くも勃起した一物を見せつけた。

「今日は、そうだな…手でしごいてもらおうか」


- シュッ、シュッ…

リリーは無表情のまま、サルジアス・トゥリアヌスの硬直した一物に手を添えると、前後にしごきはじめた。窓際で本を手にしていたせいか、その手は最初、ひやりとした。だがまもなく本来の暖かさを取り戻した小さく柔らかな掌が、己の性的器官に触れて前後運動を繰り返すその感触に、サルジアス・トゥリアヌスは徐々に快感を高めていった。




「ダンマーの女どもに相手させるのはいささか食傷気味でな。たまにはミルクポットに注ぐのも悪くはない…うぅっ…よし、イクぞ…受け止めろ!」

- ビュッ、ビュクッ、ビシャッ!


反り返った肉棒から熱いミルクがほとばしり、リリーは顔でそれを受け止めた。左の頬を中心に、無表情な、だがかすかに嫌悪と諦めの色を浮かべた顔を白濁の粘液がべっとりと汚してゆく。
リリーはそのまま背後の壁に背中を預けると、ずるずると腰をおろした。


「うむ、実に爽快だ。また今度、注いでやるぞ」

サルジアス・トゥリアヌスが立ち去った後、しばらくの間リリーは、中庭の暗がりで呆然と座り込んでいた。

-どうして? 私…?



∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫



そしてまたある時、リリーは上級魔術師たちの居住区画である「平静の間」の一室の入口で、うずくまり視線を宙に向けていた。


大学内の居住個室には基本的に鍵もドアもなく、プライバシーが保たれない。ひとつには、個室に閉じこもり危険な呪文を練習・研究した結果、教官や学生が爆発したり動物に変えられたりしたまま誰にも気付かれないということがないよう、配慮されたためである。


だが人目をはばかる行為に耽る際には不都合なことこの上ない。大学内で事を行う方法は、「手早く済ませる」「人目のない場所を探す」「見張りを立てる」の3つだった。

多くの魔術師が元素の間やアルケイナエウムで修練や研究に励む午後の時間、リリーを見張り役に立てて隠微な行為を行っているのは、回復魔法の教官であるコレット・マレンスと、大学顧問の地位にあるハイエルフのアンカノだった。


自らが専門とする回復魔法が大学内で軽んじられているという被害意識に苛まれ、藁にもすがる思いで後ろ盾を得るため、身体を差し出したコレット・マレンス。
アークメイジのサボス・アレンに対抗して大学内の自らの勢力を伸張させるため、どんな相手であれ手駒として利用したいと考えているアンカノ。


同じように大学内で孤立している者同士でありながら、両者の力関係は歴然としていた。
立位で背後から貫かれたコレット・マレンスは、息も絶え絶えにただ長身のエルフの男に良い様に身体を揺さぶられていた。アンカノはコレット・マレンスの反応など意にも介さず、欲望を吐き出すために女の濡れた膣壁を使い自らの肉棒を擦り上げていた。


「おお……お前の暖炉に暖められて、私の薬缶から今にも熱いミルクが噴きこぼれそうだ…」

「そんな、お待ちになって! 私、まだ…」


「お前のことなど知ったことか…もっと私を楽しませろ! さぁ、いくぞ…」

「あぁ…駄目…私の暖炉の中にミルクを噴き出さないで! お汚しにならないでください…」


「もう止まらんぞ。おお…沸騰する…」

「嫌…許して! お願い…ミルクは…そこのミルクポットにお注ぎください…」


「ふん、よかろう。では暖炉から下ろすぞ」

- ジュポッ!

責め苛まれて蕩けたコレット・マレンスの肉壷から、灼熱したエルフの陰茎が抜き出される。
細身の身体に似つかわしくなく、人間のそれと同様、鰓が張りグロテスクな形状をしたものが、戸口に座るリリーの眼前に突き出された。



アンカノは、髪の毛ごとリリーの頭部を鷲掴みにし、強引に自らの欲望器官へと引き寄せた。
リリーは黙ってそれを受け入れる。何の感情も沸いて来ない。ただ黙って、硬直して熱を持ったハイエルフの陰茎が唇をぬるぬると撫でまわすままにされていた。



そして、その鈴口がリリーの上下の唇を割り、喉奥へとピタリと狙いを定めた。

- ドクッ、ドクンッ、ドクッ、ドクッ、ドクン…





薬缶の注ぎ口がビクビクと跳ね、驚くほど大量の熱いミルクが注ぎ込まれて来た。
リリーは懸命にエルフの忌まわしい体液を飲み込もうとしたが、唇からは白濁した粘液がはしたなくだらりと溢れ出した。


「ふう…清々した。薬缶も空になったのでな、これで失礼する」

立ち去ろうとするアンカノに、コレット・マレンスが媚びた声をかける。

「あん、お待ちください、アンカノ様。今こそ回復魔法の有効性を存分にお見せいたします。すぐにでもアンカノ様の薬缶をミルクで一杯に満たして差し上げますわ」


頭上で交わされる会話を聞きながら、リリーは唇からこぼれた精液を指でそっと拭った。

- 私…どうして…ここにいるの? 何をしているの?

「ポット娘」のそんな自問に、答える者はいなかった。

2 件のコメント:

  1. あけおめです!新作おつです!

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    1. あけおめです。書き込みありがとうございます^^
      今年はぼちぼちSS作っていきたいと思います。

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