2014年4月12日

ブライリング2


ソリチュードの従士ブライリングは、近頃すっかり印象が変わったとブルーパレス城内で噂されていた。
毛皮を配した衣服を隙なく着込んでいた以前とはうって変わって、熟れて張り詰めた肉体を見せ付けるかの様に露出度の高い黒の衣装。その上に、ブライリングのトレードマークであり富貴の象徴とも言える豪奢な毛皮をまとった姿は何ともエロチックで、あからさまな牝の香りを匂い立たせていた。


そんなブライリングの夫、イルンスカーは、果報者と言われ冷やかされることが多くなった。決して悪い気はしない。妻の変化は快いものであった。
そしてイルンスカーは、その変化の理由が何なのか、そもそもその変化に理由があることにすら、全く思いの及ばない男だった。





その日、駐留帝国軍の練兵官としての仕事の合間、休憩時間にいったん帰宅したイルンスカーは、2階から物音が聞こえてくるのに気付き、妻も休憩で帰宅しているのだろうか、と思いながら階段を上がっていった。


寝室へ向かうと果たして、後姿の妻の毛皮のコートが揺れているのが目に入った。

「ブライリング?」

「あら、あなた。今…着替えて身体を拭いているの。こちらに来ないでくださるかしら」

「私に遠慮することはないだろう。休憩時間なんだ、お前を抱きしめさせておくれ」

「恥ずかしいわ…こんな身体を見られるのは……あっ!」

その時、ブライリングの身体が泳いで、後ろ向きのままよろりと2、3歩、後ずさった。
ブライリングが驚き振り返り、イルンスカーを目を合わせた刹那。


- ハラリ…

毛皮のコートの結び目が緩んだのだろうか、コートが肩からはだけ、そのまますとんと床に落ちた。
曲刀の様に凛として艶かしいラインを描く背中から、人妻らしくたっぷりと脂が乗った丸く大きな尻があらわになる。
イルンスカーの目は、突如眼前に現れた、この大きく膨らんでいながら日頃の鍛錬の賜物か弛みの気配も見せない妻の尻に釘付けになった。

「もう……」


ブライリングはあわてて戸口の陰に隠れ、会話を続けるため心持ち上体をかがめて顔をのぞかせる。取り繕う様に話題を探すイルンスカー。

「ああ、ブライリング、この前手に入れた剣だが、やはりお前の保管箱の方にに入れておこうと思うのだが良いだろうか?」

「わかりましたわ…私の容れ物をお使いください。どうぞ、お好きなところにお入れになって…」


その時、戸口に半ば隠れたブライリングの身体がぐっと突き出し、今度は大きく張り出した双乳が目に飛び込んでくる。

「恥ずかしいの…見ないで…」


あわてて目を逸らすイルンスカー。

「あー、そろそろ、そちらに行ってもいいかな?」

「だ…駄目です…まだ行っては。私が…すぐに行きますから」


着替えをしながら会話を続ける無理な姿勢を続けるせいか、ブライリングの身体はゆらゆらと上下動を続け、その度に豊かな乳房とその先端につんと尖った鮮やかな色の乳首が見え隠れする。


律儀に顔を逸らし続けたまま、イルンスカーの目はきょろきょろと目まぐるしく動き、一瞬一瞬、残像のように部分的に網膜に残る妻の裸身に、年甲斐もなく昂ぶり続けていた。

どれだけそうしていたか、イルンスカーは我に返ると、だいぶ長い休憩時間を過ごしてしまったと気付いた。

「ああ、そろそろ訓練に戻らなくては。ではな、ブライリング、行ってくるよ」

「ああ…わかりました…もう…お行きになってください」


「愛しているよ、ブライリング」

「私もですわ、あなた」


見送る妻の声を背に、イルンスカーは後ろ髪ひかれる思いで自邸を後にした。
中途半端に喚起された欲望で、すっかりむず痒い様な気持ちにさせられてしまっている。

- 今晩は久しぶりにブライリングを可愛がってやるとしよう…


∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫


- このしばらく前、イルンスカーが休憩のために自宅に戻る途上にあった頃

「ご主人様、もっと強く抱いてください…」


夫婦のベッドがある部屋で、素肌に毛皮のコートのみを羽織った扇情的な姿のブライリングが、夫ではない男に抱きすくめられている。
「ご主人様」と呼ばれるのは、ブライリングを己の肉棒で言いなりになる女に変えてしまい、もはや仮面で顔を隠すこともしなくなったドヴァキンだった。

どこを取っても揉み応えのある人妻の身体を、大きな男の手が遠慮会釈なく蹂躙していく。ブライリングは恥ずかしげに身をくねらせながら陶然となり、太腿には既に溢れ出た熱い女の蜜がつつー、と筋を引いている。

「ブライリング?」

やがて帰宅したイルンスカーが玄関の戸を開き、階上の寝室へと近づく足音が聞こえてくる。

「ご主人…様…」

ブライリングの身体がビクッと震え固くなったが、ドヴァキンは全く動じず、女の腰にまわした腕もそのままに、尻肉を、太腿を、乳房を、力強くこね回し、まさぐり続ける。


「あら、あなた。今…着替えて身体を拭いているの。こちらに来ないでくださるかしら」

「私に遠慮することはないだろう。休憩時間なんだ、お前を抱きしめさせておくれ」

「恥ずかしいわ…こんな身体を見られるのは……あっ!」


急に抱きすくめた腕を解き、トン、とブライリングの身体を押しやるドヴァキン。
ブライリングはとっさのことにバランスをくずし、夫の目に全身をさらす位置まで後ずさりしてしまう。
思わず夫の方を振り返った刹那、ドヴァキンの腕がするりと伸び、ブライリングがただ一枚、身に着けていた毛皮のコートの留め紐を解いてしまった。


- ハラリ…

一瞬、頭が真っ白になり思考が止まってしまう。

- 駄目! イルンスカーに気付かれちゃう!


愛液で濡れ光った内腿を強く意識して、戸口に隠れる。身体の向きを変えて顔だけのぞかせて、イルンスカーとの会話を続ける。

「ああ、ブライリング、この前手に入れた剣だが、やはりお前の保管箱の方にに入れておこうと思うのだが良いだろうか?」

戸口から顔だけのぞかせるため、ブライリングの姿勢は前かがみとなり、大きな尻を背後に差し出すかたちとなる。滑らかでボリュームたっぷりの双丘が鷲掴みにされ、そこへ固く熱い肉の杭がぴたりと狙いを定め、今にも打ち込まれようとしていた。

「わかりましたわ…私の容れ物をお使いください。どうぞ、お好きなところにお挿れになって…」


- ズブッ!

それと気付かぬイルンスカーの眼前で、ブライリングの女の部分が一気に奥まで貫かれた。その打ち込みの勢いと衝撃に、ブライリングの身体が前にズレる。

「恥ずかしいの…見ないで…」


あわてて壁に手を添えて身体を押し戻すが、カウンターパンチの様に狙い澄ましてドヴァキンが腰を送り出す。再び前に出て行こうとする身体を何とか支える。
二人の動きの相乗効果で、抽挿の摩擦と刺激が信じられないほどに高まってゆく。


あっという間に官能の高みに押し上げられ、ブライリングは男の手で、肉棒で、全身を玩具の様に自在に弄ばれる幸福感に浸り切った。

「あー、そろそろ、そちらに行ってもいいかな?」

「だ…駄目です…まだイッては。私が…すぐにイキますから」

顔を逸らした夫が、豊満なバストやその先端で息づく乳首を横目でチラチラと盗み見てくるその視線を、ブライリングは痛いほど意識していた。正面からまともに見られたら、さすがに見知らぬ男と交わっていることに気づかれてしまうかも知れない…。
そんな状態で夫と相対しながら、ブライリングの膣は夫ではない男の肉棒と触れ合い、媚びる様にきゅんと収縮して精一杯の快感を与え続けている。


これまでに増して力を込め、ドヴァキンがブライリングのくびれたウエストを諸手でぐっと掴み、固定した。男が欲望を吐き出す態勢に入ったことを察する。

「ああ、そろそろ訓練に戻らなくては。ではな、ブライリング、行ってくるよ」

「ああ…わかりました…もう…おイキになってください」


スパートがかけられる。意識がとびそうなほどの衝撃と快楽。
だが目の前の夫を見送るまでは意識を途絶えさせるわけにはいかない。

「愛しているよ、ブライリング」

「私もですわ、あなた」

ー ドクッ!


踵を返して出かけてゆこうとする夫の背中を見送りながら、背後から身体の内奥部の中心に熱い精液が浴びせかけられる。声にならない絶叫。

ー ドクッ、ドクッ、ドクン……

つながった男の器官が勢い良く跳ね、断続的に射出される濁液の奔流がブライリングの子宮を打ち据える。


まだこれほどの快感が存在したのかと思うほどの、この日最大の絶頂に導かれ、ブライリングは背徳的な多幸感の中でがくりとくずおれ、男の腕に全てを委ねた。


∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫  ∫



いつもの様に男の股間に舌を這わせ、陰茎を舐め清めて後始末をするブライリング。

「今日は、こんなにたくさん…中にお出しいただいてありがとうございます」


全身の肌が痺れる様な、また身体の奥が疼く様な余韻に浸りながら、甘えた声で語りかける。

「でもご主人様の精液を膣内にお出しいただいた日には、イルンスカーとも夫婦の交わりをしておかなくてはなりませんわ。もちろん部屋を暗くして、トロールの脂肪を塗ってヌルヌルにしたお股で挟むだけですけれど…。ほんの何回か動かしただけで終わってしまいますから、イルンスカーは私の中で射精したと思い込んでいますわ」


そして花が咲いた様ににっこりと微笑む。

「ですからどうかご主人様、一日でも早く私を孕ませてください」

2 件のコメント:

  1. 最近このHPを見つけました。
    SSの構図や美しさもさることながら、物語仕立てなのもいいですね。

    こっそり応援しております。

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    1. コメントありがとうございます。
      こっそり応援いただいていると思うと、励みになります!

      更新スピード遅いですが、ぜひこれからも時々のぞいて見てください。

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